ブエノスアイレス（Buenos Aires）
ブエノスアイレス（Buenos Aires）
都市の魅力
南米にいながらヨーロッパにいるかのような雰囲気を楽しめる都市、それがブエノスアイレスです。南米のパリとも称されるこの場所は世界の中でも特徴ある都市として、ユネスコの創造都市ネットワークプロジェクト・デザイン部門に認定されています。
文化や歴史を感じられるだけではなくショッピング、芸術鑑賞やスポーツ鑑賞、本場のタンゴなど様々な楽しみ方ができる魅力が詰まった都市です。
基本情報
ブエノスアイレスは、アルゼンチンの首都で人口約550万人です。アルゼンチンの大平原パンパ地方の真ん中に位置しています。48のバリオと呼ばれる地区からなる大都市でありながら地区ごとに異なる雰囲気を持っているので、アルゼンチンの縮図ともいえます。日本からの直航便がないため、国際線を経由して訪れることになります。その際、市内から約15kmのところにあるエセイサ国際空港に到着し、そこからブエノスアイレスへ移動することになります。
観光客が主に足を運ぶ観光スポットは、ブエノスアイレスの中心部に集中しています。中心部は徒歩でも移動できますが、その他の地区へ移動する際はスブテと呼ばれる地下鉄やタクシー、コレクティーボと呼ばれるバスなどの交通手段が便利です。南米の都市の中では比較的安全と言われるブエノスアイレスですが、経済危機以降犯罪が増えているため十分に注意が必要です。特に観光地では旅行者を狙った盗難事件が多く発生しています。スリ、置き引き、タクシー強盗や短時間誘拐などにも注意してください。また、最近ではマスタードやケチャップなど液状のものをかけられ、拭きとってもらっている間に財布を取られるというマスタード強盗（ケチャップ強盗）と呼ばれる犯罪も増えています。見知らぬ人には十分に注意しましょう。
ブエノスアイレスの観光地
ブエノスアイレスは、地区によって異なる特色を楽しむことができます。政治の中心地となっているモンセラート地区を含むセントロには、5月広場や大統領府など歴史的な雰囲気を楽しむことができる観光スポットが存在します。また同じセントロの中でもサン・ニコラス地区は、文化や情報の発信地といった面も見られます。多くのショップが立ち並ぶフロリダ通りでは、ヨーロッパの最新のファッションをいち早く取り入れることができます。そのセントロの周りを囲むようにして、タンゴが生まれた当時の雰囲気を楽しめるサン・テルモ地区やボカ地区が存在します。その他にも博物館や美術館が多く、ファッションやアートも楽しむことができるレコレータ地区やパレルモ地区、近年再開発が進み新たな魅力が増えているプエルト・マデーロ地区など見どころ満載です。
ブエノスアイレスの気候
ブエノスアイレスはアルゼンチンの中でも温暖湿潤気候の地域のため、日本のように四季を感じられます。夏である12月～3月は、30度を超える日も多くありますが、日本ほど蒸し暑さは感じません。
冬である5月～8月は日本より湿度が高いのですが、風が冷たいため寒く感じます。時にはヒョウや雪も降るので厚手の防寒具が必要となります。
ブエノスアイレスの代表的な観光スポット
モンセラート地区
5月広場
大統領の就任やデモ、集会からサッカーの勝利時の祝福の集いに至るまで、あらゆる時に大勢の人が集まる広場です。1810年5月18日にスペインからの支配に耐えかねた人々が起こした「5月革命」以来、この名で呼ばれています。革命が終結した同月25日のアルゼンチン独立宣言の際にも、この広場に多くの人が集まりました。他にもこの広場で、国旗セレモニーや近衛兵の交替式なども行われます。また、独立の象徴となっている場所のため、デモもよく発生します。
◯住所：Av. Rivadavia y 25 de Mayo
大統領府（カサ・ロサーダ）
「ピンクの家」という意味を持つスペイン語のカサ・ロサーダという名前の通り、ピンク色の外観の建物です。サルミエント大統領が当時の2大政党である連邦主義派と中央集権主義派のそれぞれのイメージカラー、赤と白を合わせたのでピンクになったと言われています。今現在も使われており、週末のみガイドツアーで中を見学することができます。
◯住所：Balcarce 50
◯URL：http://www.presidencia.gov.ar
◯開館時間：10:00～18:00（※月～金曜休館）
◯料金：無料
ガイドツアー（スペイン語／英語／ポルトガル語）
◯所要時間：約1時間（10分ごとに出発）
カフェ・トルトーニ
ブエノスアイレスには、観光客が多く訪れる通りから目立たない場所まで様々なところにカフェがあります。中でも、このカフェ・トルトーニは1858年に創設された市内最古のカフェです。数多くの芸術家や政治家などが通ったとされ、彼らにまつわる展示物もあるので、食事だけでなくカフェそのものが観光名所となっています。また、夜にはジャズやタンゴなどのエンターテイメントも楽しむことができます。
◯住所：Av. De Mayo 825
◯URL：http://www.cafetortoni.com.ar
◯営業時間：月～木曜：8:00～翌1:00
金・土曜：8:00～翌3:00
日曜：9:00～翌1:00（年中無休）
サン・ニコラス地区
フロリダ通り
レティーロ地区のサン・マルティン広場から5月大通りを結ぶ約1kmの通りです。ブティックやレストラン、カフェ、書店など600店が軒を連ねており、通りは歩行者天国になっています。ガレリアス・パシフィコという大型のショッピングセンターもあるので、この通りだけでもショッピングを楽しむことができます。
ガレリアス・パシフィコ
◯住所：Florida y Cordoba
◯URL：http://www.galeriaspacifico.com.ar
◯営業時間：10:00～21:00（※日曜は12:00～／年中無休）
エル・アテネオ・グランド・スプレンディド
南米で最も多くの書店を持つとされるアルゼンチンの中でも、一際目立つ書店がこのエル・アテネオ・グランド・スプレンディドです。ここは元々「グランド・スプレンディド」というオペラやコンサートが上演される劇場でした。イタリアの画家が描いた天井画やボックスシート席などが今も店内に活かされており、2008年にはイギリスのThe Guardianという新聞で、世界の美しい書店ランキング2位に選ばれました。昔ステージだった場所は、現在カフェになっています。
◯住所：Av. Santa Fe 1860
◯URL：http://www.tematika.com
◯営業時間：月～木曜：9:00～22:00
金・土曜：9:00～24:00
日曜：12:00～22:00（年中無休）
ボカ地区
カミニート
スペイン語で「小径」を意味するカミニートは、家の壁やテラス、屋根などがカラフルに塗り分けられています。ボカ生まれの画家、キンケラ・マルティンが創った街並みとなっています。マルティンはボカ地区をモデルとした港の風景やそこで働く人々を描いた作品を多く描き、自分の絵を売ったお金で地元に病院、小学校、美術館などを建てていきました。また、世界無形文化遺産にも登録されている「タンゴ」というダンスの発祥の地でもあり、運が良ければ路上でのパフォーマンスも観ることができます。昼間は観光客の多いカミニートですが、観光バスの無くなる17時以降は治安がよくありません。また、ボカ地区には貧民街もあるのでカミニート以外の場所はなるべく行かないことをおすすめします。
キンケラ・マルティン美術館
◯住所：Av. Don Perdo de Mendoza 1835
◯開館時間：11:00～18:00（※入館は～17:00／月曜休館）
◯料金：＄10
レコレータ地区
レコレータ墓地
1882年に開設された、ブエノスアイレス最古の墓地です。歴代大統領を含めた6400もの墓碑が並んでおり、その墓碑も彫刻や装飾がとても立派なため、墓地というより一つの街並みのような印象を受けます。ミュージカル『エビータ』でも有名なエビータことマリア・エバ・ドゥアルテ・デ・ペロン元大統領夫人の墓もここにあります。
◯住所：Av. Quintana y Junin
◯開放時間：7:00～18:00（年中無休）
◯料金：無料
無料ガイドツアー
火～金曜の9:30／11:00／15:00（※通常はスペイン語だが火・木曜の11:00は英語）
国立美術館
芸術に関心の高いアルゼンチンの中でも権威ある美術館とされるのが、この国立美術館です。展示されている作品は絵画、彫刻など約1万点で、国内のものだけでなくモネやゴッホなど中近世ヨーロッパの画家のものから、現代アートまで幅広く展示しています。
◯住所：Av. Del Libertador 1473
◯URL：http://mnba.org.ar
◯開館時間：火～金曜12:30～20:30
土・日曜9:30～20:30（※月曜休館）
◯料金：無料
パレルモ地区
2月3日公園（パレルモ公園）
ロサス大統領が住んでいた私邸の跡地にできた公園で、パレルモ公園の名でも知られています。サルミエント大統領が開設した世界一大きな公園で、「近代都市なら動物園を設置すべき」という考えから作られた動物園や植物園、記念碑、日本庭園などもあります。こちらの日本庭園は、現在の天皇皇后両陛下が1967年にアルゼンチンを訪問なさった時に合わせて開園されたものです。南米原産の木々と日本ならではの桜や椿といった木々とが共生する、南米らしさも兼ね備えた日本庭園となっています。
ブエノスアイレス動物園
◯住所：Av. General Las Heras y Av. Sarmiento
◯URL：http://www.zoobuenosaires.com.ar
◯開演時間：10:00～18:00（月曜休館）
◯料金：＄60／パスポート＄27（※アシカのショーは別途＄15）
日本庭園
◯住所：Av. Casares y Av. Figueroa Alcorta
◯URL：http://www.jardinjapones.org.ar
◯開放時間：10:00～18:00（年中無休）
◯料金：＄24
ラテンアメリカ芸術博物館（MALBA）
MALBAの愛称でも知られる、ラテンアメリカの現代アートのみを集めた博物館です。1,2階では常設展、3階では企画展が開かれています。地下にはホールもあり、アート系の映画も上映されています。
◯住所：Av. Figueroa Alcorta 3415
◯URL：http://www.malba.org.ar
◯開館時間：木～月曜12:00～20:00
水曜12:00～21:00（※火曜休館）
◯料金：＄40
ブエノスアイレスのエンターテイメント
ブエノスアイレスではサッカーやタンゴなど、アルゼンチンならではのエンターテイメントが多く存在しています。タンゴはカフェや街中でも観ることができますが、タンゴ専門の劇場「タンゲリータ」も多く存在しています。その中でもいくつかオススメのスポットを紹介します。
サン・ニコラス地区
コロン劇場
フランス・パリのオペラ座、イタリア・ミラノのスカラ座と並ぶ世界3大劇場のひとつです。定員は約3千人と、スカラ座に次いで世界で2番目に大きな劇場となっています。年間を通して上演が行われていますが、ヨーロッパがシーズンオフになる5月から11月には世界的に有名なオペラ、オーケストラ、バレエなどの公演が行われます。こけら落とし公演は1908年5月25日に行われたヴェルディのオペラ「アイーダ」で、それ以来毎年5月25日がシーズンの幕開けとなっています。英語やスペイン語でのガイド付きのツアーで劇場を回ることもできます。ツアーでは、地下にある舞台制作現場や練習風景など、劇場の裏側も見ることができます。
◯住所：Tucuman 1171
◯URL：http://www.teatrocolon.org.ar/en/
◯開館時間：9:00~17:00（年中無休）
ガイドツアーは9:00～17:00の15分おきに出発。所要時間は約1時間。
◯料金：＄110
ボカ地区
ボカ・ジュニアーズ・スタジアム
ブエノスアイレスで人気のサッカーチームの１つ、ボカ・ジュニアーズのホームグラウンドです。ボカ・ジュニアーズは海外でも人気の高いチームであり、日本にも支部があります。スタジアムはラ・ボンボネーラの愛称で呼ばれていて、約5万人が収容できます。試合がない日であればメインスタンドの見学が可能です。また、選手控室やピッチなどに入ることができるスタジアムツアーもあります。
ボカ・ジュニアーズ・スタジアム美術館
◯住所：Brandsen 805
◯URL：http://www.museoboquense.com
◯開館時間：10:00～18：00（※一部の試合開催日は休館）
◯料金：入館＄60／入館＆メインスタンド見学＄70
ベルグラーノ地区
エンタメの名前
リーベル・プレート・スタジアム
通称エル・モニュメンタル・スタジアムと呼ばれるこのスタジアムは、アルゼンチンサッカーでボカと同じく人気を誇るリーベル・プレートの本拠地です。こちらのチームも日本に支部があり、また日本ではリーバーと呼ばれることもあります。このスタジアムは、1978年のワールドカップではメイン会場となりました。また、このスタジアムはポール・マッカートニーなどミュージシャンのライブ会場としても使われています。ガイドツアーに参加することで相手チームのロッカールームや実際のグラウンドに入ることもできます。
リーベル博物館
◯住所：Av. Figueroa Alcorta 7597
◯開館時間：10:00～19:00（※試合開始の1時間30分前まで／年中無休）
◯料金：入館＄55／入館＆ショートツアー＄60／入館＆スタジアムツアー＄70
アバスト地区
エスキーナ・カルロス・ガルデル
タンゴの神様とされるカルロス・ガルデルにちなんで名前が付けられた、人気のタンゴ劇場の1つです。オペラ劇場のような店内で食事をしながらショーを楽しむことができます。また、食事なしでショーのみを楽しむことも可能です。
◯住所：Carlos Gardel 3200
◯URL：http://www.esquinacarlosgardel.com.ar
◯営業時間：20:30~24:00（年中無休）
